こんにちは。スソンコーチです。
桜の季節になり、いよいよ春がきましたね。

今回は、タイトルにある内容と、前回大阪よりトレーニングに参加してくれた、セホ君のお話をしたいと思います。
普段のトレーニング中、子供たちへ『何のために練習しているのか?』と多々問いかけます。
各々サッカーをしている目的や理由は違うと思いますが、やるからには常に実践を意識し、トレーニングを100%やりきってほしいと思っています。(その積み重ねが、物事を集中して行う姿勢の基盤となります)
日本では、練習では上手く出来て、試合(実践)では出来ない、という子供を多く見ます。これは子供に限ったことではなく、僕を含む大人にも言えることです。
典型的な例が、「ボールポゼッション」のトレーニングで、ご存知の通りバルセロナやアヤックス、もちろん日本でも多く取り入れられています。
しかし、日本のポゼッション練習で一番目につくのが、ボールを保持している攻撃面ではなく、60%~70%の力で軽く流している守備面です。あたり前ですが、試合中の相手はほぼ100%に近い状態で、ボールを奪いにきます。
良い守備なくして、良い攻撃のトレーニングにならないということを、忘れてはいけません。
バルセロナの選手たちは、練習中の守備・球際が相当激しいです。彼らのパススピードやファーストタッチは、そういう環境で磨かれています。先日出張で行って来た際に見た韓国サッカーでも、プレッシャーはもちろん、ボディコンタクト時の「音」が違います。
これは性格的な問題や国民性が関係している部分もありますが、指導者自身が普段から実践に近い緊張感を練習中に作り出すことで、改善されると思っております。
試合には常に相手がいて、プレッシャーがかかる中で行われるので、それに近い雰囲気を練習中にしっかり作り、プレッシャーに慣れれば、自然とゲームでも落ち着いてプレーできるようになります。
チームではありませんが、効率の良いトレーニングを行うため、特に対人練習では、実力が拮抗した選手たちのグループ分けをしたり、時には、練習中の姿勢が悪い選手をわざと下のグループに入れて、心理的に「悔しい気持ち」を引き出せるように、技術的以外の面でも、様々な配慮を行っております。

前回セホ君が練習に参加してくれた際に、リフティングやドリブル,パスなど基本技術を見ましたが、他のスクール生と、ほとんど差はありませんでした。
しかし、4 vs 4やゲームをした時に、明らかにレベルが違いました。
特に攻撃面では、Off the ball(ボールを持っていない)時のフリーランニングやポジショニングが良く、常にゲームへ関わることを考えており、On the ball(ボールを持っている)時に、相手が全力でプレッシャーをかけてもまったく慌てず、判断がとても良いです。
セホ君とスクール生と比較したときの決定的な差は、年間を通じて常に同年代のトップクラスの選手と、練習や試合をしているという「経験」と、経験からくる絶対的な「自信」が大きいと感じました。
毎日片道1時間を小学4年生から1人で電車で通っている、というピッチ外での苦労も、より一層彼をたくましくしていることでしょう。
「バルセロナやリバプールと試合したときは、日本では経験できないくらいプレッシャーが早かった」という、セホ君の言葉が印象的でした。
以前、安英学選手に2010年ワールドカップの感想を聞いた時、「ヤヤ・トゥーレみたいな大きい選手が全力でボールを奪いにくるプレッシャーは凄まじく、実際にきていないのに緊張してコントロールが乱れたり…あんな経験は初めてだった」と似たような話をしてくれました。
考えてみれば、ワールドカップを制する強豪国は、スタメンからベンチまでの全員が、普段ヨーロッパのビッグクラブに所属しており、また対戦相手もビッグクラブであるという、Jリーグより、はるかに過酷なシーズンを送っています。

「プレッシャー」「ストレス」といったワードは、一見ネガティブなイメージを与えてしまいますが、その状況に置かれなければ成長もしません。
ジュニスターでも、子供のレベル問わず、一人一人に合った最大限の「プレッシャー」をかけるようにしています。
サッカー以外でも「ここぞという時に力を発揮できる」ように、子供たちが成長できるサポートをしっかりしていきたいと思います。

来週から、いよいよ新年度が始まります。
初日からフルパワーでいけるように、今は少し充電したいと思います(笑)
それでは。

スソンコーチ


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